後悔しない家づくり(8) ー 成功例・失敗例(その2)

 長い長い沈黙を破って、突然のシリーズ再開です。

 前回はわが家の「成功例・失敗例」のうち「成功例」を紹介しました。今回は成功例の続きです。ちなみに、これまでの記事は次からご覧になれます。

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《 成功例 (つづき) 》

■ 1.5坪タイプの浴室と 1.5倍サイズのバスタブ

わが家の浴室。
わが家の浴室。

 ユニットバスは1.25坪タイプのものが標準で付いていたが、私たちはオプションで一回り広い1.5坪の浴室を選んだ。すると担当の営業マンが、1.5坪タイプの浴室には1.5倍サイズのバスタブが標準で付くがどうするかと言う。どうするもこうするも、同じ値段ならありがたく付けてもらうことにした。

 ところで、バスタブが1.5倍だと湯の量も1.5倍必要で不経済ではないかという一抹の不安があったが、実際そうでもなかった。写真でバスタブの奥の側に曲線を描いて膨らんでいる部分はバスタブが「上げ底」になっているので、湯を6分目ぐらいまでしか張らないようにすれば、多少多い程度で済む。

 ゆっくりくつろぐには最高のスペースで、小さい子どもさんのいる家庭ならなおのこと、これぐらいの広さが必要だろうと思う。これ、大満足。

 

■ 独立した洗面所

洗面所(左)と脱衣場(右)。
洗面所(左)と脱衣場(右)。

 たくさんの建売り物件やモデルプランを見てきたが、どれも例外なく洗面所は風呂の脱衣場と兼ねていた。そんなの当たり前かもしれないが、わが家はそれでは困るのだ。わが家は私の母と私たち夫婦で同居しているので、それだとどちらかが洗面所を使っていると風呂に入れず、どちらかが風呂に入っていると洗面所を使えない。二世帯住宅ではないからこそ、お互いが気兼ねなく使えるための工夫が必要となる。

 そこで、洗面所を脱衣場の外の廊下の一角にしつらえた。単に引き戸1枚隔てただけのことで洗面所と風呂場が完全に独立し、お互いが気兼ねなく使えるようになった。これ、大正解。

■ 風呂の残り湯利用システム

 風呂の残り湯を使って洗濯したい人のために、洗濯機にはジャバラのホースが付属で付いている。以前の家のときに使っていたがこれがわりと面倒で、使うたびに取り付けて使い終わったらいちいち取り外さなければいけない。しかも、外すときにホースの中に残っている湯がポタポタ床に落ちて始末が悪い。

風呂の残り湯を洗濯機に取り込むホース。
風呂の残り湯を洗濯機に取り込むホース。

 今のわが家は、これが写真のようにビルトインなので全く手間がいらない。先日、それまで使っていた洗濯機が壊れて買い換えた際に、新しい洗濯機の設置作業をしていた業者から「このホースは何ですか?」と聞かれて驚いた。聞けば初めて見たという。こんなの今どき当たり前と思っていたので、そうでないと知って急にわが家の自慢のひとつになった。

 調べてみると、TOTOとLIXILのユニットバスのオプション機能で、調べた限り他のメーカーにはないようだ。業者の回し者でもなんでもないが、こんな便利で快適な機能がどうして普及しないのか不思議に思う。

 

■ 2階の手洗器

2階のトイレの手洗器。
2階のトイレの手洗器。

 2階のトイレに手洗器が必要かどうか。「節水型トイレ」にすれば、トイレを使ったときはタンクに貯める水で手を洗うことができる。しかし、それ以外で、ちょっと指先を洗いたいとか何かで少量の水が必要なときに、2階に手洗器があるといちいち1階へ降りていかなくて済む。

 でも、このちっぽけな手洗器が、水道工事費込みで10万円と聞いて少し迷った。結局、いろいろ事情があってサービスで付けていただき、とっても重宝している。

 

■ 水触媒・光触媒の魔法

 あまり耳慣れない言葉だが、外壁材であるサイディングの機能にこういうのがある。正確には、サイディングに使われている塗料の機能らしい。そもそもサイディングとは、今どきの新築家屋に最も普通に使われている外壁材のことで、窯業系すなわち陶器と同じような焼き物でできたパネルである。

 水触媒とは、水に触れると触媒作用が働いて外壁の表面に付着した汚れを分解して落とす作用。光触媒とは、光に当たることで同様に汚れを落とす作用。初めてこれを聞いたときは、半信半疑で眉唾(まゆつば)と思った。担当の営業マンから渡されたサイディングのカタログには、迷ってしまって困るほど膨大な数の色やデザインが載っていたが、当時は水触媒はともかく光触媒はあまり一般的でなかったようで、勧められるとおり両方の機能を併せ持つものを選ぼうとすると、逆に選択の余地がほとんどなかった。

ゴーヤの緑のカーテン。外壁が結構汚れる。
ゴーヤの緑のカーテン。外壁が結構汚れる。

 色やデザインは気に入らなかったし効果のほどは半信半疑だったが、何しろ水触媒・光触媒両方の機能を備えたものはかなり高額だったにもかかわらず「標準でお選びいただけます」と言われると、貧乏性のため飛びついてしまった。しかし、本当に効果があるのか?

 わが家では新築後、毎年決まって緑のカーテンとしてゴーヤを栽培している。秋になってこれを撤去すると、外壁のあちこちに葉や茎がこすれて緑の色素が付着していたり、熟れてはじけたゴーヤの果肉や、果てはイモムシの糞やらなにやらの汚れが見るも無残に外壁にべったりと付着している。

 初めてのときは新築なだけにショックを受けて、棒の先に雑布を巻きつけて洗剤を染み込ませゴシゴシやってみたりしたが、しつこくて意外に落ちない。それが、あら不思議。諦めてそのまま放置しておいたら、1か月後には魔法のように跡形もなく消えていた。