· 

ベトナム北部 クックフォン国立公園にて(2)

ご存知、森の忍者コノハチョウ

午後の林縁で占有行動をとるコノハチョウ。
午後の林縁で占有行動をとるコノハチョウ。

 マレーシアにはリンボルギーコノハ Kallima limborgi がいるが、ベトナムのクックフォンには沖縄にいるのと同じコノハチョウ K.inachus がいる。  両種は姿形はよく似るが、生態に微妙な違いを感じた。リンボルギーコノハは、明るい二次林とはいえ林内で活動している印象が強い。これに対し、当地のコノハチョウは午後の林縁でテリを張っていて、おかげで非常によく目に付いた。写真の個体も林の外で、午後の日差しをまともに浴びながら占有行動をとっていた。

森の忍者コノハチョウ。
森の忍者コノハチョウ。

 これはもしかすると生息密度が高いせいかもしれないと考え、数の多い場所で明るい林内へ足を踏み入れてみたが、林内では全くその姿を見なかった。

 中には落果の甘い香りに誘われて、半ばオープンランドのような環境に出てくるものさえいて驚かされた。地面に落ちている果物に止まっているコノハチョウがどれほど周囲に溶け込んでいるか、この目で確かめて写真に撮りたかったが、いつも飛び立ってから気付いてばかりではどうしようもない。

   まあ、それほど周囲に溶け込んでいたってことにしておこう。